俳優座の養成所からキャリアをスタートさせた仲代は、まさに日本映画界の金字塔を打ち立ててきた人物だ。小林正樹監督の不朽の名作『人間の条件』や『切腹』での鬼気迫る演技は、国内外で絶賛を浴びた。
さらに、映画監督・黒澤明とのタッグで見せた迫力は他の追随を許さない。『影武者』での一人二役や、『乱』における凄惨な狂気と悲哀を演じ切った圧倒的な存在感は、今なお語り継がれる時代劇の金字塔である。半世紀以上にわたり、第一線でスクリーンと舞台を支配してきた男の美学は、私生活の浮ついた噂話など容易に跳ね返す強固な骨組みを持っている。