1991年、宇宙世紀の新章として劇場公開された映画『機動戦士ガンダムF91』。その主題歌として制作された本作は、制作現場における緻密な対話と奇跡的な偶然が交錯して生まれた。
アニメーション制作を手掛けた株式会社サンライズのスタジオでは、作品が持つ「戦争の哀しみと人間の再生」という重厚なテーマにふさわしい楽曲が模索されていた。総監督を務めた富野由悠季は、単なるロボットアニメの枠に収まらない、普遍的な人間の愛と祈りを描くテーマソングを強く求めていたという。
作詞・作曲を担当したシンガーソングライターの西脇唯は、物語の核心にある「祈り」を繊細な言葉へと昇華させた。戦火の中で擦り切れていく人々の心に寄り添い、希望の風を吹き込むようなフレーズの数々。彼女の紡ぎ出した言葉は、森口博子という希代の表現者を得ることで、永遠の生命を吹き込まれることとなった。
当時、バラエティ番組でも引っ張りだこだった森口博子だが、スタジオのマイクの前に立った瞬間、その場の空気は一変したという。キングレコードのレコーディングスタジオに響き渡った彼女の澄み切ったハイトーンボイスは、スタッフ全員の鳥肌を立たせるほどの圧倒的な情感をたたえていた。