ニュージャージーの貧しいイタリア系アメリカ人コミュニティ。少年たちが選べる道は、軍隊に入るか、マフィアになるか、それともスターになるか――そのどれかだけだった。ザ・フォー・シーズンズの結成は、まさに犯罪と隣り合わせの環境からの脱出劇そのものだったと言える。
ヒット曲を連発し世界中を熱狂させた彼らだが、栄光の頂点に立った瞬間からグループの歯車は狂い始める。トミー・デヴィートが抱えたマフィアへの莫大な闇金問題、バンド内の権力闘争、そしてフランキー・ヴァリを襲った最愛の娘の悲劇。表舞台での華やかな脚光とは裏腹に、楽屋裏では容赦ない現実が彼らを打ちのめしていた。傑作伝記映画として高く評価される理由は、こうした人間の醜さや弱さを隠すことなく直視した点にある。