過激化する街頭活動に対し、社会側の防波堤として制定されたのが2016年のヘイトスピーチ解消法である。この法制定は、日本社会が差別的な言動に対して明確な「ノー」を突きつけた歴史的転換点となった。しかし、法的規制への道のりは平坦ではなく、表現の自由との兼ね合いをめぐり激しい議論が交わされた。
当時の政治・社会問題報道は、この問題の報道姿勢において大きな葛藤を抱えていた。過剰に報じれば活動家に宣伝の場を与えることになり、無視すれば実害を放置することになる。メディアジャーナリズムは、不当な差別をいかに告発し、民主主義的な言論の質を守るかという重い課題を突きつけられたのである。