吉宗と忠相のコンビこそ、この番組の真骨頂だ。特に長年にわたり大岡忠相役を務めた横内正の演技は、まさに「理想の上司」であり「頼れる盟友」そのものだった。品格漂う声のトーン、鋭い眼光、そして吉宗の正体を知りつつも陰から支える深い忠誠心。横内正が魅せた重厚な芝居は、作品の骨組みを決定づけたといっても過言ではない。
その後も大岡忠相役は時代とともにバトンが渡された。安井昌二や田村亮といった実力派俳優たちがそれぞれ独自の趣を注入し、町奉行としての理知的な強さと人間味を鮮やかに演じ分けたのだ。吉宗役の松平健と交わす視線一つにも、言葉を超えた揺るぎない信頼関係が滲み出ていた。