意外に知られていないのが、恐山菩提寺の境内に沸く温泉の存在だ。参拝者は入山料を支払っていれば無料で入浴することができる。境内には古風な木造の湯小屋が点在し、「薬師の湯」「冷越の湯」「古滝の湯」といった源泉かけ流しの湯が手厚く管理されている。
強酸性の硫黄泉で、白濁したお湯は旅の疲労を和らげてくれる。ただし、ここはレジャー施設の温泉ではない。神聖な霊場の境内にある湯であるため、脱衣所での洗髪や石鹸の使用は禁止されている。体を清めて湯に浸かり、静かに身をゆだねる。これこそが恐山ならではの温泉の楽しみ方だ。