2000年代半ばに入ると、2ちゃんねるは単なるアングラサイトの枠を飛び出し、日本独自のポップカルチャーを牽引する巨大メディアへと昇華した。その象徴的な出来事が、単独のスレッドから誕生した恋愛物語『電車男』の世界的ヒットだ。オタクカルチャーと純愛という対比が受け、書籍化、ドラマ化、映画化へと波及する異例の展開を見せた。
独自の隠語やアスキーアート、スラングを生み出す巨大なコミュニティの動態は、現代のソーシャルメディアの黎明期における原型そのものだった。既存のマスメディアが報じない事件の裏側や専門的な知見がリアルタイムで共有される構造は、後のニュースアプリやSNSのプラットフォーム設計にも多大な示唆を与えることとなった。