この世代において、音楽シーンの地平を不可逆的に変えた二大アイコンが中森明菜と小泉今日子である。中森明菜はセカンドシングル『少女A』の劇的なヒットにより、瞬く間に時代の寵児となった。ツッパリ路線と評された陰影ある歌詞と圧倒的な歌唱力、そして衣装やパフォーマンスのセルフプロデュース力は、当時の『ザ・ベストテン』の最高得点記録やランキング上位を独占した。
一方の小泉今日子は、「ショートカット」や自らを「KYON2」と呼ぶ独自のブランディングを打ち出し、「大人に作られた少女」というアイドル観を解体した。受動的な存在から、自らの意思とスタイルで時代の先頭を走る独立したポップスターへ。二人の登場は、日本のアイドル史における決定的なパラダイムシフトであった。