現代の社会動向に目を向けると、両者の置かれた環境にも興味深い変化が見られる。文化庁が発表する宗教統計調査によると、日本全国には神社が約8万社、寺院が約7万7千件存在し、日常の風景に深く根を下ろしている。神社側の連携組織である神社本庁をはじめとする各団体は、過疎化による後継者不足などの課題に直面しつつも、伝統の継承に注力している。
そうした中、急回復を見せる国際観光需要が双方に空前の追い風をもたらしている。体験型コンテンツを求める訪日外国人旅行者の急増や、地方創生を推進する観光業の取り組みにより、宿坊体験や早朝の参禅、デジタル御朱印などの新たな試みが結実しつつある。宗教施設としての尊厳を保ちつつ、持続可能な地域資源としてどう活かすかという模索が進行中だ。