SNSや大手Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋など)を検証すると、「フルマラソン後に膝の内側が激痛で歩けなくなったが、縫工筋を緩めたら翌朝嘘のように痛みが引いた」「半月板損傷を疑ってMRIを撮ったが異常なし、整体で縫工筋の短縮を指摘されてストレッチを始めたら階段が苦にならなくなった」といった生々しい体験談が数多く投稿されている。
運動器リハビリの専門セラピストが担当する臨床現場でも、同様の証言は枚挙にいとまがない。ある40代男性の市民ランナーは、練習量を増やすたびに鵞足炎を再発し、半年間走れない状態が続いていた。歩行分析を行ったところ、骨盤が過度に前傾し、縫工筋が常時引き伸ばされながら緊張する「エキセントリック(伸張性)過負荷」に陥っていたことが判明した。
このランナーに対し、従来の太もも裏(ハムストリングス)のストレッチに加え、寝ながら行う縫工筋ストレッチと骨盤の歪み改善エクササイズを毎日1分間指導したところ、わずか3週間で痛みが完全寛解し、月間走行距離を200kmまで伸ばしても再発しなくなったという。膝関節そのものではなく、「膝を動かす動力ライン」である筋肉のアライメントを整えることこそが、回復への決定的分水嶺となる。