この大会を語るうえで絶対に外せないのが、完走賞として手渡される「サツキの鉢植え(苗木)」だ。名産地・鹿沼ならではの粋な取り組みであり、全国の市民レースを見渡してもこれほど個性的で愛される参加賞は珍しい。
「家に持ち帰って庭に植えたサツキが、毎年5月になると花を咲かせる。それを見るたびに鹿沼の風を思い出して、また走りたくなる」――長年参加を続けるベテランランナーはそう微笑む。レースの思い出が植物という形で参加者の生活に根づき、時を超えて町と人を結びつけ続ける。この情緒的な価値こそ、リピート率の高さを支える秘訣だ。