親の奇妙な関係の渦中で育った娘の内田也哉子は、かつて我が家を「常識が通用しない場所」と表現した。幼少期から父の突然の来訪や激怒に怯え、母の言葉を噛み締めながら生き抜く必要があったという。しかし、彼女が成長し家族を築くにつれ、その捉え方は静かに変化していく。
婿として内田家に加わった俳優の本木雅弘もまた、義父と義母の特殊な距離感を間近で見守った重要人物だ。本木は、内田裕也がみせる内心の繊細さと、それを包み込む樹木希林の包容力を目の当たりにし、「一見破綻しているようで、完璧な調和が保たれていた」と明かしている。異端の家族関係は、娘夫婦の手によって受け継がれ、独特の温もりを帯びていく。