ろうあ者とは?ろう者との決定的な違いと使われなくなった理由を解説

ろうあ者とは?ろう者との決定的な違いと使われなくなった理由を解説

ろうあ者とは?ろう者との決定的な違いと使われなくなった理由を解説について知っておくべき 注意点を分かりやすく解説いたします。

日常のニュースや公的文書において「ろうあ者」という単語を見かける機会は激減しました。その最大の理由は、漢字の「唖(あ)」が持つ意味合いと歴史的経緯にあります。「唖」という文字には「口がきけない」「声が出せない」という意味が含まれており、かつては耳が聞こえず音声を発声できない状態を指して「聾唖(ろうあ)」と呼んでいました。

しかし、言語学や当事者運動の進展に伴い、この認識には根本的な誤解があることが広く共有されるようになります。ろう者は「言葉を持たない」のではなく、手話という独自の文法体系を持った豊かな自然言語を獲得して十全に意思疎通を行っているからです。さらに発声器官に問題があるわけではなく、口話教育や訓練によって音声を発声できる当事者も数多く存在します。そのため、「声が出せない人」と決めつけるような表現は実態に即しておらず、差別的なニュアンスを帯びているとして、1990年代以降、公的機関やメディアを中心に「ろう者」という呼び名へと急速に置き換わっていきました。

では、なぜ国内最大の当事者組織は現在も「一般財団法人 全日本ろうあ連盟」という名称を維持しているのでしょうか。関係者への取材や歴史的資料によると、この名称には1947年の創立以来、差別と闘い権利を獲得してきた連盟の歴史と誇りを継承するという明確な意志が込められています。外部からの押し付けによる改称ではなく、自らのルーツを背負い続ける選択をした組織名としての象徴であり、一般的な呼称としては当事者の多くが「ろう者」あるいは「デフ(Deaf)」という呼称を自然に用いています。

田中 結衣
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田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。