時代を下り、現代における治水のランドマークとなったのが、長年の歳月と議論を経て完成した八ッ場ダム整備事業だ。群馬県長野原町に建設されたこの多目的ダムは、巨大台風による記録的な豪雨時にも圧倒的な洪水調節能力を発揮し、首都圏の水害リスクを劇的に低減させた。
そして2026年現在、河川管理の現場は大きな転換点を迎えている。従来の「堤防を高く積む」「ダムで止める」といったハード面中心のアプローチから、行政・企業・住民が一体となって流域全体で水害に備える「流域治水」への本格移行が進む。気候変動によって局地的大雨や線状降水帯が頻発するなか、最新の気象予測データと水門の自動制御システムを連動させた先進的な防災アップデートが各所で実用化されている。