『会心の一撃』が持つ現場での影響力は、ロックファンのコミュニティにとどまりません。その最たる例が、高校野球におけるブラスバンド応援歌(ブラバン)としての爆発的な普及です。
夏の甲子園をはじめとする全国の球場で、強豪校・大阪桐蔭高校などを筆頭に多くの吹奏楽部がこの曲をチャンステーマとして採用しています。アルプススタンドを取材した音楽関係者の証言によると、トランペットの鋭い高音リフと力強いバスドラムのリズムが「打席に立つ選手の心拍数とスタンドの熱量を完全に同期させる」と高く評価されています。ツーアウト満塁などの逆境において、「ここからすべてを覆す」という祈りにも似た高揚感を創出する機能性が、野球応援の現場に完璧に合致したのです。
一方、RADWIMPSの単独ライブや野外フェスにおいても、本曲はセットリストの起爆剤として不動の地位を保っています。イントロが鳴った瞬間にオーディエンスが一斉に地表を揺らし、野田洋次郎のボーカルに合わせて数万人規模のシンガロングが発生する光景は、単なるコール&レスポンスを超えた「集団的カタルシス」の創出と言えます。