慶應義塾の最大の強みであり、強固な権力基盤となっているのが「三田会」と呼ばれる卒業生ネットワークだ。特に慶應義塾連合三田会は、国内外に張り巡らされた網の目のごとき人脈を束ねる存在であり、評議員選挙においても決定的な影響力を行使する。政財界の第一線で活躍するOB・OGたちが評議員として組織運営に直接関与することで、他大学には真似できない強力な財政基盤と社会的な発言力が維持されている。
この強固な財界ネットワークは、大学に巨額の寄付金や共同研究の機会をもたらす一方で、組織の保守化を生み出す要因にもなり得ると指摘される。トップ経済人たちの意向が大学経営にストレートに反映される構図は、時代の転換期において迅速な意思決定を可能にする強力な推進力となる反面、学問の自由や現場の教員の声を排斥しかねないという両刃の剣の側面も併せ持っている。