ポメラニアンの毛色は、ジャパンケネルクラブ(JKC)公認カラーだけでも十数種類に及びますが、ベースとなる毛色によって色の変化パターンや確率には顕著な違いが見られます。
オレンジ・セーブルの劇的退色と黒毛の消失
ブリーダー現場において最も問い合わせが多いのが「オレンジ・セーブル」の推移です。生後2カ月前後ではマズルから背中にかけて濃い黒毛で覆われており、「タヌキ顔」「小熊のよう」と称されます。しかし、生後半年を迎える頃にはその黒毛の約7〜8割が抜け落ち、成犬になる頃には背筋や尾の先にわずかな差し毛を残すのみとなります。子犬時の色合いがそのまま固定される確率は1割未満であり、明るいクリアオレンジへ昇華していくのが典型的な経路です。
黒毛の褐色化と白毛の真相
単色のブラックポメラニアンにおいて「毛が赤茶色に変色してきた」という現象は、色素の脱落だけでなく紫外線によるメラニンの酸化分解や、被毛の乾燥・タンパク質変性が主因です。また、涙や唾液に含まれる「ポルフィリン」の付着によって口周りや足先が変色することもあります。
一方、ホワイトのポメラニアンで白毛が黄色味を帯びる現象(イエローステイン)は、被毛本来のメラニン生成が後から活性化してクリーム色化する遺伝的ケースと、皮脂の酸化汚れによる外因的ケースの双方が存在します。