ジャック ル マロワ 賞のもう一つの醍醐味は、成長著しい3歳馬と経験豊富な4歳以上の古馬が真っ向から激突するハンデキャップ(斤量)の設定にある。欧州の夏は、春のクラシック戦線を戦い抜いたトップ3歳馬が、初めて大人のトップホースたちと拳を交える季節だ。
3歳馬に与えられる斤量上の恩恵は、一見すると大きなアドバンテージに見える。しかし、百戦錬磨の古馬たちが醸し出すタフなレースペースとプレッシャーは、若駒たちの精神力を容易に削り取る。直近の傾向を見ても、斤量の軽さを活かして逃げ切る若い才能と、後方から底力を発揮して交わし去るベテランの攻防は、最後の100メートルまで予測不能なスリルを提供する。