中学校の理科室で行われるマグネシウム燃焼の実験は、化学変化のダイナミズムを体感する代表的なプログラムです。ピンセットで挟んだマグネシウムリボンをガスバーナーの炎にかざすと、一瞬ののちに目が眩むほどの強烈な白色光を放ちながら燃焼します。
この激しい反応の前後で、物質の物理的・化学的性質は完全に一変します。燃焼前のマグネシウムは、銀白色に輝く金属光沢としなやかな柔軟性を持ち、電気をよく通す金属です。ところが燃焼が完了した後に残る物質は、白くてもろい灰のような粉末へと姿を変えています。
この燃焼後の物質は酸化マグネシウム(MgO)と呼ばれ、もはや金属光沢はなく、テスターを当てても電気を一切通しません。金属原子同士が結合していた状態から、酸素原子と強固に結びついたイオン結晶構造へと根本的に組み変わった証拠です。なお、発生する光には強い紫外線が含まれているため、実験時には保護メガネの着用や直視を避ける安全対策が必須とされています。