多くのサラリーマンが直面する最大のショックが、70歳定年における給料激減です。60歳の定年を迎えた後、再雇用や勤務延長で70歳まで働く場合、業務内容が大きく変わらないにもかかわらず、給与水準は現役ピーク時の40%〜60%程度まで下落するのが一般的です。
さらに深刻なのが、在職老齢年金による働き損の問題です。働きながら厚生年金を受給する場合、給与(総報酬月額相当額)と年金月額の合計が基準額を超えると、年金の一部または全額が支給停止になります。2026年現在の年金制度改正議論でも緩和策が模索されていますが、依然として「頑張って残業やフルタイムで働いた分だけ年金がカットされ、手取りがほとんど増えない」という逆転現象が現場の勤労意欲を削いでいます。
また、受給開始を遅らせて受給額を増やす年金繰下げ受給のデメリットも無視できません。70歳や75歳まで繰り下げれば毎月の受給率は跳ね上がりますが、その間に万が一病気や怪我で早逝してしまえば、本来受け取れるはずだった年金を丸ごと失うことになります。加えて、繰下げ中は「加給年金」や「振替加算」を受け取れない期間が生じるため、トータルの生涯受取額で損をしてしまうシニアが後を絶ちません。