札幌市中心部から車で約40分、豊かな自然に抱かれた真駒内滝野霊園の正面入り口で来訪者を迎えるのが、合計33体に及ぶモアイ像です。最大のもので高さ9.5メートル、重量120トンにも達する巨大な石像が立ち並ぶ景観は、初めて訪れる人々に強烈なインパクトを与えます。
多くの人が抱く「なぜ北海道の霊園にモアイ像なのか」という疑問について、霊園の公式記録および管理主体の資料によると、その理由はモアイという言葉に込められた深い祈りにあります。イースター島の現地語において、「モ」には未来、「アイ」には生きるという意味があり、モアイは「未来に生きる」を象徴する言葉とされています。先祖を敬い、その命を受け継いで今を生きる人々が未来へ向かって歩んでいくという願いが、この巨石像の建立理念となっています。
同霊園が開園したのは1981年(昭和56年)のことです。当時から「明るく開かれた公園霊園」を目指す先進的な基本計画が掲げられていました。従来の日本の墓地が持っていた「暗い」「近づきがたい」という印象を払拭し、宗旨・宗派を問わず誰もが心安らかに集えるパブリック空間を創出するため、シンボルとしてモアイ像やストーンヘンジといった世界の巨石文化が取り入れられました。単なる観光目的のオブジェではなく、先祖供養の精神を普遍的なモニュメントへと昇華させたモアイ像の北海道における歴史は、40年以上の歳月をかけて地域と共生してきた証です。