大手メディアが警察発表をストレートに打電する中、独自取材を続けてきたのが調査報道プロジェクト『東大事件の深層』だ。関係者への極秘インタビューを重ねる中で、事件の引き金となった学内派閥の軋轢と過酷な評価制度の歪みが浮き彫りになってきた。
「外部資金獲得の圧力が極限に達していた」。元同僚の研究者は重い口を開いた。業績至上主義と研究費削減の波が、研究者を精神的に追い詰めていた背景が見えてくる。報道メディア業界の表面的なスクープ合戦では見落とされがちな構造的歪み。調査報道ドキュメンタリーが映し出すのは、一人の容疑者を逮捕しただけでは解決しない根深い闇だ。