ブランドの急成長を支えた最大の推進力であり、同時に破綻へのカウントダウンを加速させたのが、破格の資金を投じたマーケティング戦略だった。同社は業界内での絶対的な信頼感を獲得するため、国民的スターである木村拓哉をイメージキャラクターに起用。「MJG整体・骨盤矯正CMプロジェクト」を大々的に打ち出し、テレビCMや巨大な街頭看板を全国で大量露出させた。
圧倒的な知名度を持つタレントの起用は、一般消費者に「大手だから安心」「有名人が推奨しているなら間違いない」という強い心理的盲点を作り出した。だが、その裏で巨額の広告宣伝費が経営を激しく圧迫していた事実を、一般の利用者が知る由もなかった。メディア露出によって覆い隠されていた実態は、持続可能性を完全に欠いた無謀な自転車操業に過ぎなかったのだ。