1993年に古田が打ち立てたシーズン盗塁阻止率.644という不滅の記録。現代のNPBにおいて阻止率4割を超えればトップクラスと称される中、この数字がいかに異常であったかは改めて説明を要しない。特筆すべきは、当時の捕手としては珍しい素早い二塁送球のステップと、投手陣への配球の組み立ての巧みさだ。
近年、ピッチクロックの導入や走者の離塁技術の向上により、世界的に「盗塁が阻止しにくい時代」に突入している。そうした背景もあり、現代の若手捕手たちが古田の送球フォームやスローイング時の捕球姿勢、投手のクイックモーションとの連動性を再検証する動きが相次いでいる。単に肩の強さに頼るのではなく、ステップの無駄を徹底的に削ぎ落とした古田の技術論は、30年の時を超えて最新のバイオメカニクス観点から再評価されている。