メトホルミンが体重減少をもたらす背景には、確かな生化学的メカニズムが存在する。主たる作用は、肝臓での糖新生(筋肉や脂肪から葡萄糖を作る働き)の抑制と、骨格筋などでのインスリン感作性の向上だ。
細胞内のエネルギーセンサーであるAMPK(AMP活性化タンパク質キナーゼ)を活性化させることで、体が運動している時と似た代謝状態を作り出す。さらに、腸管からの糖吸収を抑え、便中にブドウ糖を排泄するルートを作ることも分かっている。2型糖尿病の患者に対して処方されてきたこの古くからの薬が、現代人の糖質過多な生活に対するアンチテーゼとして再評価されているのだ。