日本国内で長年積み重ねられてきた大規模コホート研究の成果は、緑茶の持つ秘められた力を明確な数値として裏付けている。その代表格が、国立がん研究センターを中心に進められてきた「JPHC研究」だ。数万人規模の追跡調査により、緑茶を頻繁に摂取するグループにおいて、全般的な死亡リスクのみならず認知機能低下のリスクが有意に抑えられている傾向が観察された。
さらに、地域住民を対象とした緻密な疫学調査として世界的に名高い九州大学の「久山町研究」も見逃せない。精度を誇るこの追跡調査でも、緑茶の定期的な飲用習慣が脳血管障害や神経変性疾患の発症率低減と相関することが示されている。単なる「伝統的なお茶の文化」という枠組みを超え、日本発のデータが世界の医学界を動かしつつあるのだ。