プロの厨房において、調理の勝敗はフライパンに火をつける前の「下処理」で8割が決まります。空芯菜の下処理と切り方には明確なルールが存在します。
まず水洗いを行った後、サラダスピナー(遠心水切り器)を使うか、キッチンペーパーで包んで徹底的に水気を拭き取ります。茎の空洞に入り込んだ水分まで取り除くことが、油跳ねを防ぎ高熱をキープする絶対条件です。
次に切り方です。根元の硬い部分を約1〜2cm切り落とした後、全体を5cm幅の等間隔に切り揃えます。この際、必ず「茎の部分」と「葉の部分」を別のボウルに分けておきます。このひと手間で、後述する時間差投入が可能になります。
また、調理後すぐに葉が黒ずんでしまう現象には、空芯菜炒めの変色防止の理由に基づいた対策が必要です。空芯菜に含まれるポリフェノールオキシダーゼ(酸化酵素)は、熱と空気に触れることで急速に酸化し褐色化します。これを防ぐには、切り分けた空芯菜に小さじ1程度のサラダ油をあらかじめ絡めておく「油コーティング」が極めて有効です。油の膜が空気を遮断し、クロロフィルの鮮やかな緑色を長時間保持させます。