冷酷非情な謀略家であるエンヤ婆ですが、その内面には息子J・ガイル(「吊られた男」のスタンド使い)に対する凄まじいまでの母親としての愛情が渦巻いていました。ポルナレフの妹・シェリーを惨殺した元凶であるJ・ガイルがポルナレフと花京院典明によって討ち取られた報せを受けた瞬間、彼女の理神は崩壊します。
「わが息子J・ガイルの仇ッ!」「DIO様への忠誠など二の次、この手で八つ裂きにしてくれる!」と激昂したエンヤ婆は、DIOの指示や当初の慎重な作戦をかなぐり捨て、自ら前線に打って出て承太郎たちの命を狙いました。この激情こそが、彼女を破滅へと導く決定打となります。
一方で、彼女の根底にはDIOに対する狂信的なまでの忠誠心が刻まれていました。DIOの圧倒的なカリスマ性と悪の魅力に魂を捧げており、息子への愛とDIOへの崇拝という2つの強烈な感情が、エンヤ婆という怪異の行動原理そのものだったのです。