レンズの性能向上とセンサーの大型化。本来なら喜ばしいはずのアドバンテージが、自撮りにおいては皮肉な刃となってユーザーに突き刺さる。旧世代の端末であれば適度にぼやけていた微小な色ムラや小ジワが、最新の光学系と強烈な輪郭強調処理によって、あたかも顕微鏡で覗き込んだかのように克明に記録されてしまうからだ。
特に問題視されているのが、逆光や暗所でも黒つぶれを防ぐ「スマートHDR」の自動補正だ。この技術は影になった部分を暗部から無理やり引き上げ、明るい部分の白飛びを抑える。一見すると万能に見える処理だが、人間の顔に適用されると事態は一変する。皮膚の自然な立体感を生み出す影(シャドウ)まで一律に補正されて平板になり、毛穴の影だけが黒点として異様に目立つ現象を引き起こすのだ。