メッセージアプリを開けば、AIが最適な返信候補を瞬時に提案してくれる時代だ。ワンタップで「了解しました」「ありがとうございます」と送れる便利さと引き換えに、私たちは何を失ったのだろうか。それは、相手のために時間と脳のリソースを割くという「コストの支払い」である。
手軽すぎるコミュニケーションは、受け手に「軽さ」を感じさせる。そんな中で、自分の言葉で紡がれたメッセージや、些細な変化に気づく手書きのメモのようなアプローチは、かつてないほどの価値を持つようになった。効率化を極めた社会だからこそ、非効率な「マメさ」が最大の誠意として機能しているのだ。