世界的な和食の広がりは、単なる一過性の流行を超えて定着期に入っています。農林水産省による海外日本食レストラン調査によると、2006年時点で約2万4,000店だった海外の日本食店舗数は、2010年代以降に急激な右肩上がりを記録し、直近では約18万7,000店を突破しました。わずか20年足らずで8倍近くに膨れ上がった計算です。
これほど爆発的な店舗数推移を支えている最大の要因は、和食ブーム海外人気の理由が「ヘルシー志向」から「カルチャーへの深いリスペクト」へと進化した点にあります。かつては健康的なダイエット食という文脈で語られることが多かった日本食ですが、インバウンドの活況によって本場の味を体験した訪日客が急増しました。日本で味わった出汁(ダシ)の旨味や調理の繊細さを母国でも再び楽しみたいという需要が、世界的なマーケットを力強く牽引しています。
さらに、アニメや漫画を中心とする日本のポップカルチャーの世界的浸透も追い風となっています。作中に登場するラーメンやカツ丼、おにぎりといった日常食が海外のZ世代にとって憧れのアイコンとなり、若い層の外食選択肢として自然に組み込まれているのです。