実在の天才開発者・金子勇氏を演じた映画『Winny』での怪演は、彼の役作りに対する執念を世に見せつけた。十数キロの体重増加と、指先の微細な動きまで再現した徹底的なリサーチ。不当な権力と戦う無垢な天才の悲劇を、単なるヒューマンドラマに留まらない切実さで演じ切り、数々の映画賞で高い評価を獲得した。
さらに、彼自身の山岳生活に密着したドキュメンタリー映画『WILL』は、フィクションとノンフィクションの境界を泥臭く打ち壊してみせた。自ら肉を解体し、血の匂いにまみれながら生きる姿は、かつてのイメージを完全に上書きし、カメラの前に立つ一人の「人間」としての骨太さを世界に突きつけた。