ソロアーティストとしての谷村新司の名を世界に轟かせた最高傑作が、1980年にリリースされた『昴 -すばる』である。広大な夜空を見上げる幻想的な歌詞と哀愁を帯びたメロディは、日本のみならず中国をはじめとするアジア各国で熱狂的に受け入れられた。特に中国では「国民的外国楽曲」と称されるほどの知名度を誇り、国境や言葉の壁を超えた文化交流の象徴となった。
この深い縁を結実させたのが、2004年に中国のトップ音楽府である上海音楽学院から招聘を受け、教授に就任したことだった。彼は長年にわたり現地の若い才能を育成し、アジアの音楽文化の架け橋として尽力。自身の代表曲『昴 -すばる』が繋いだこの日中交流の軌跡は、単なる一歌手の枠を超えた文化外交官としての偉大な足跡として今も高く評価されている。