現在のプロ野球界において、チケットの定価という概念はほぼ消滅した。導入初期こそファンからの反発が強かったダイナミックプライシングだが、2026年現在、セ・パ両リーグのほぼ全球団がこのシステムを標準採用している。
価格を左右するのは、対戦相手や曜日だけではない。当日の天気、先発投手の予告、さらには周辺地域での競合イベントの有無までがAIによってリアルタイムで解析される。結果として、平日の雨天時の外野席が1,500円で投げ売りされる一方で、晴天の土曜日に行われる首位攻防戦では、同じ席が5,000円を超えることも日常茶飯事となった。この極端な価格差が、ファンの間で「不公平感」を生む要因にもなっている。