風呂釜の配管構造は、現代の住宅で主流の「一つ穴(強制循環式)」と、築年数の経過した住宅に見られる「二つ穴(自然循環式)」で根本的に異なります。構造を無視して同じ手順で行うと、薬剤が循環しなかったり、配管内に残留したりするため、自宅のタイプに応じた正しい手順を踏む必要があります。
一つ穴(強制循環式)の洗浄手順:浴槽備品のオキシ漬けも同時進行
一つ穴は、給湯器内部のポンプを使ってお湯を吸い込み、温めて吐き出す仕組みです。浴槽内に風呂イスや洗面器、風呂フタを一緒に浸け込む「丸ごとオキシ漬け」を並行して行うのが最も効率的です。
- 水位の調整:循環金具(穴)の中心より約5〜10cm上まで水を張ります。残り湯を使用しても構いませんが、入浴剤の入ったお湯は薬剤の化学反応を妨げるため絶対に使用を避けてください。
- 薬剤の投入と完全溶解:お湯の温度を45〜48℃に設定します。オキシクリーンは浴槽へ直接投入せず、バケツなどに汲んだお湯で粉末(浴槽全体で付属スプーン3〜4杯程度)を完全に溶かしきってから、循環口付近に注ぎ入れます。
- 追い焚き運転:追い焚きボタンを押し、配管内に高濃度のオキシ液を循環させます。設定温度に達して循環が止まったら、そのまま約2〜3時間放置します(長時間の放置はゴムパッキンを傷めるため最長でも4時間以内)。
- 排水とフィルター掃除:お湯をすべて排水し、循環口のフィルターカバーを取り外して、古歯ブラシなどで目詰まりした汚れを落とします。
- すすぎ運転:再び浴槽の穴より上まで水道水を張り、通常温度で再度追い焚きを5〜10分行います。配管内部に残ったオキシ液を完全に押し流すため、排水後にシャワーで循環口内部をよく洗い流してください。
二つ穴(自然循環式)の洗浄手順:対流の原理を利用する
二つ穴はポンプを持たず、下側の穴から冷たい水を吸い込み、釜で温めて上側の穴から戻す「熱対流」を利用しています。穴の中に汚れが溜まりやすい構造のため、ピンポイントで高濃度溶液を送り込む工夫が求められます。
- 下穴の密閉:作業前に、下側の穴をタオルや専用キャップでしっかりと塞ぎます。
- 薬剤の注入:上側の穴へ、直接オキシクリーン粉末(付属スプーン約1杯)を投入し、そこに約50〜60℃の熱めのお湯をやかんやシャワーで勢いよく注ぎ込みます。
- 浸け置き:配管内部に薬剤が充満した状態で、約1〜2時間放置します。
- 一気のフラッシング:下の穴を塞いでいたタオルを引き抜き、上穴からシャワーを高圧で一気に注ぎ込んで、内部に剥がれた湯垢を洗い流します。