マジックナンバーは一度点灯したからといって、そのまま一直線にゴールへ向かうとは限らない。首位を走るチームが連敗の泥沼にはまり、猛追する2位チームとの直接対決で手痛いスイープを喰らえば、灯っていたはずの数字があっけなく消滅する「マジック消滅」の悪夢が待っている。2位チームに再び自力優勝の目が生まれれば、主導権は一瞬で逆転する。
メジャーリーグベースボールでは「Elimination Number(通称トラジック・ナンバー)」として他球団を脱落させる数値が日常的に語られるのに対し、日本のプロ野球ペナントレースでは「首位チームのカウントダウン」に情緒的なスポットが当てられる傾向が強い。直接対決で勝利すれば自チームの勝利と相手の敗戦が同時に成立するため、一気にマジックが「2」減る。このダイナミズムこそが、終盤戦の直接対決に異様な緊張感をもたらすのだ。