天婦羅の仕上がりを左右するもう一つの決定打が「油の温度コントロール」です。SNSや料理相談サイトで「レシピ通りに揚げたのに油っぽくなった」と悩む投稿を分析すると、共通して鍋の表面積に対してタネを詰め込みすぎている傾向が見て取れます。
油の適正温度は具材によって異なります。水分が多く火の通りにくい野菜類(サツマイモやレンコン)は160℃〜170℃の低温〜中温でじっくり火を通し、エビやイカ、キスなどの魚介類や大葉などの薄い葉物野菜は180℃前後の高温で短時間で揚げるのが鉄則です。油の温度計がない場合は、菜箸の先から細かな泡が勢いよく立ち上る状態、あるいは衣を一滴落とした際に「底まで沈まず、中間まで沈んで素早く浮き上がってくる状態」が175〜180℃の目安となります。
また、一度に揚げる量は「油の表面積の半分まで」を厳守してください。具材を入れすぎると油温が一気に150℃以下まで低下し、衣が固まる前に油を大量に吸い込んでしまいます。引き上げる直前に火力をわずかに強めて油温を5℃ほど上げ、タネを油から引き上げた後は空中で5秒ほどしっかり油を切り、新聞紙ではなく網バットの上に立てて置くことで、蒸気による衣の軟化を防止できます。