日の出前の函館港。出港準備を進める漁師たちの手元には、専用のタブレット端末が握られていた。画面に映し出されているのは、リアルタイムの水温データや潮の流れ、そして過去の膨大な海洋データから弾き出された魚群の予測ルートだ。
かつてはベテランの勘と経験だけに頼っていた職人の世界に、データ解析という強力な相棒が加わった。現場の漁師は「最初は大学の若いのが入ってきて何ができるんだと半信半疑だったが、今じゃこれなしで海に出るなんて考えられない」と笑う。現場に深く潜り込み、漁師と同じ目線で構築されたシステムだからこそ、真の社会実装が実現している。