人気作品への出演を重ねながらも、ある時期を境界線にしてカメラの前から姿を消した背景には、日本の芸能界が抱える構造的な変化と、本人のキャリア観の大きな転換があった。数年前まで主要な芸能事務所に所属し、多忙を極めるスケジュールを消化していた彼だが、親しい関係者には「与えられた役を演じるだけでなく、作品をゼロから創り出す裏側の工程に本格的に携わりたい」と明かしていたという。
テレビ局のドラマプロデューサーは制作現場の状況をこう証言する。「過密な撮影日程が常態化する中、渡部さんは現場での職人気質が高く評価される一方で、短期間で作品が消費されていくシステムに対して強い苦悩を抱いていました。自らの手で作品の質をコントロールできる環境を求め、長年所属した芸能事務所との契約を満了し、一線を引く決断をしたのが真相です」。メディア露出の減少は転落ではなく、自発的なキャリアの再設計だったと言える。