キンキは魚体全体の脂質含有量が20%を超える個体も多く、淡白な白身魚と同じ調合では魚の脂に味が負けてしまいます。キンキの煮魚における味付けは、しっかりとしたコクと適度な甘辛さのバランスが求められます。
料理人の間で定評のあるキンキの煮付けの調味料の割合は、以下の配合がベースとなります。
【煮汁の黄金比率(目安:1尾 約350g〜400g分)】
・清酒:150ml(3)
・濃口醤油:100ml(2)
・本みりん:100ml(2)
・水(または昆布出汁):100ml(2)
・上白糖またはザラメ:30g〜40g(約1)
・生姜スライス:4〜5枚
キンキの煮付けの黄金比の要は、酒を贅沢に使う点にあります。日本酒に含まれる有機酸とアミノ酸が、魚の臭みをマスキングしつつ、ふっくらとした身質へ導きます。また、煮汁に加える砂糖には保水性を高める効果があり、加熱によるタンパク質の急激な凝固を防ぎます。
キンキの煮付けの落とし蓋の扱いも決定打となります。浅く平らな鍋に煮汁、生姜、魚を入れて強火にかけ、沸騰したらすぐにクッキングシートまたは木製の落とし蓋を乗せます。煮汁の泡が落とし蓋を押し上げ、魚の上面へ絶えず循環する状態(中強火)をキープします。これにより、魚をひっくり返すことなく短時間で均一に火を通し、煮汁にとろみと照りをもたらします。