「冬彦さん」のレッテルは、当時まだ劇団活動を中心にしていた実力派俳優・佐野史郎にとって、一気に全国区の知名度を得るきっかけであると同時に、激しいイメージの固定化という試練でもありました。しかし佐野はその後、知的な悪役から人情味あふれる父親役、シリアスな医師役まで幅広い役柄を演じ分け、日本を代表する名バイプレイヤーとしての地位を確立しました。
2026年には多発性骨髄腫の発症を公表し、一時ドラマの降板や治療のための休養を余儀なくされましたが、自家末梢血幹細胞移植などの過酷な治療を乗り越えて見事に寛解。復帰後は映画、ドラマ、朗読劇、そしてライフワークである音楽活動(バンド「タイムスリップ」など)において、円熟味を増した唯一無二の表現力を披露しています。
2026年現在も、佐野史郎は精力的に表現の現場に立ち続けており、インタビュー等では「冬彦さんという役に出会えたからこそ、今の自分がある」と語るなど、自身の原点となったキャラクターへ深い敬意と愛着を示しています。