ドブ漬けとは?溶融亜鉛めっきの防錆力や電気めっきとの違いを徹底解剖

ドブ漬けとは?溶融亜鉛めっきの防錆力や電気めっきとの違いを徹底解剖

ドブ漬けとは?溶融亜鉛めっきの防錆力や電気めっきとの違いを徹底解剖について押さえておきたい 事実を分かりやすい構成で解説いたします。

ドブ漬けめっきの品質基準を語る上で欠かせないのが、日本産業規格である「JIS H 8641(溶融亜鉛めっき)」のHDZ規格です。構造物の設置環境や要求寿命に応じて、皮膜の付着量基準が厳格に定められています。

一般的な建築金物では「HDZ 35(膜厚49μm以上)」、沿岸部や過酷な環境に晒される橋梁・鉄塔では「HDZ 55(膜厚76μm以上)」が指定されます。日本溶融亜鉛鍍金協会の長期曝露試験データによると、大気中の亜鉛腐食速度は、田園地帯で年間約0.5〜1.0μm、都市・工業地帯で約1.0〜2.0μm、海岸地帯でも約2.0〜5.0μm程度と算出されています。つまり、HDZ 55規格(膜厚約76μm以上)を施工した場合、田園部なら100年近く、海岸部でも20〜30年以上にわたり母材の鉄を腐食から守り抜く計算です。

一方、設計現場で頻繁にトラブルの火種となるのが「ドブ漬けボルト規格」の運用です。ドブ漬けは皮膜が数十μmと極めて厚いため、一般の規格(メートル並目ネジ)のままめっきを施すと、雌ネジと雄ネジの山が噛み合わず、固着して回らなくなります。

そのため、接合部にはJIS B 1180やJIS B 1181に基づき、ナット(雌ネジ)側をめっきの厚み分(通常0.4mm〜0.8mm程度)あらかじめ大きく削ってネジ山を切る「オーバータップ加工」が必須ルールとして定められています。市販の通常ナットにドブ漬けボルトを無理に締め込もうとして現場がストップする失敗事例は、若手施工管理技士が直面しやすい代表的な落とし穴です。

加工単価は、鋼材の形状・重量・ロットによって変動するものの、めっき加工費としての相場は鋼材1kgあたり70円〜180円前後で推移しています。初期投資(イニシャルコスト)こそ通常の塗装や電気めっきを上回りますが、再塗装や部品交換が数十年不要になるため、長期的なライフサイクルコスト(LCC)の観点では最も経済性に優れた防食手法と評価されています。

佐藤 大輔
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佐藤 大輔

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