2000年代初頭、平成仮面ライダーシリーズが新たな表現の可能性を模索していた時代。その最前線で放たれた一撃が、映画『劇場版 仮面ライダー龍騎 EPISODE FINAL』における仮面ライダーファムの登場だった。
それまで特撮ヒーロー番組において女性キャラクターが変身する例は存在したものの、劇中で正式に「仮面ライダー」の名を冠した女性戦士は彼女が史上初となる。モデルやタレントとして時代の寵児であった加藤夏希がキャストに抜擢されたニュースは、当時のエンターテインメント業界を駆け巡り、特撮ファンの枠を超えて社会的な話題をさらった。白を基調としたエレガントな装いと、復讐という重厚な動機を秘めた人間ドラマが融合した瞬間だった。