駅南口に降り立つと、真っ先に目を引くのが美しい赤い三角屋根だ。国立駅南口再開発事業の本格化に伴い、周辺のランドスケープは劇的な変貌を遂げている。長年地元住民に愛されてきた旧駅舎は、高架化工事の際に一度解体されたものの、市民の熱い要望と保存運動によって見事に解体部材を用いて復元された。現在、この空間は単なる歴史的建造物の展示にとどまらない。
2026年の現在、旧駅舎内はまちの案内所やコミュニティスペースとして機能しており、その裏側には当時の架線柱の一部や手彫りの木製部材が秘められている。関係者への取材によれば、復元作業にあたっては柱の一本一本に番号を振り、大正時代の職人技を現代の手法で完璧に蘇らせたという。再開発によって広場が拡張されたことで、歩行者主体の広々とした空間が誕生し、伝統と最新の都市インフラが見事なハーモニーを奏でている。