病院のMRI検査で使われる超電導マグネット。これを極低温まで冷却するために液体ヘリウムが使われている。さらに、次世代の超高速計算を担う量子コンピュータの稼働にも、絶対零度近くまで冷やすヘリウムが必須だ。
ヘリウムは宇宙で2番目に多い元素だが、地球上では極めて軽い性質のため、一度大気中に放出されると宇宙空間へ逃げていってしまう。地球上で回収できるのは、天然ガスを採掘する際に極めて限定的な条件下で混入しているものだけだ。資源の有限性が叫ばれるなか、医療現場や研究機関では「ヘリウム不足による研究停止」の悲鳴が現実のものとなっている。