劇中でヤングオイスターが登場するのは、アリスが森の中で出会った双子の兄弟、トゥイードル・ディーとトゥイードル・ダムから聞かされる作中劇「セイウチと大工」のエピソードです。海岸を歩いていたセイウチとお腹を空かせた大工は、海の中に住むカキたちをご馳走にしようと企みます。
セイウチはステッキで軽快なリズムを刻みながら、好奇心旺盛なヤングオイスターたちを巧みな話術とお菓子の誘惑で海底から呼び寄せます。母親であるマザーオイスターの制止を振り切って陸に上がったカキの赤ちゃんたちは、無邪気にセイウチの後をついていき、用意された小屋へと足を踏み入れました。
大工がパンや調味料を準備している最中、セイウチはハンカチで涙を拭い、同情するふりをしながらヤングオイスターたちを一匹残らず平らげてしまいます。戻ってきた大工が目にしたのは、無残に散らばる空っぽの殻だけでした。無垢な赤ちゃんがただ騙され、何の救いもなく捕食されて消えるという救いのない展開こそが、多くの視聴者に「不思議の国のアリス最大のトラウマシーン」として刻まれる理由です。