2026年現在、女性ホルモンが全身に及ぼす影響についての研究は急速に深まっている。55歳を超えて閉経を迎える女性が享受する最大の利点は、長期間にわたるエストロゲンの保護作用だ。血管の弾力性が保たれ、心筋梗塞や脳卒中といった心血管疾患の発症率が有意に低いことが判明している。
だが、光があれば影もある。エストロゲンの長引く刺激は、細胞の過剰な増殖を招く側面を持ち、結果として子宮体がんや乳がんの発症リスクを高める要因となる。寿命の延伸という恩恵を受けながらも、身体のわずかな変化を捉える観察眼が求められる時代に入った。