「アリア」と「オペラ」の違いを混同している人は多い。オペラは舞台芸術のジャンル全体を指し、アリアはその中で用いられる歌唱形式のひとつである。つまり、オペラという大きな枠組みの中に、アリアやレチタティーヴォ、重唱、合唱などが含まれるという関係だ。
オペラの物語は通常、レチタティーヴォで進行する。レチタティーヴォは台詞のように抑揚をつけて歌う形式で、会話や状況説明を担う。一方、アリアは登場人物が心の内を吐露したり、決意を表明したりする場面で挿入される。物語の進行は一時停止し、感情の高まりが旋律として表現される。この対比がオペラの魅力を生む構造的な特徴である。
さらに、アリアと似た用語に「カヴァティーナ」がある。カヴァティーナはアリアの中でも特に単純明快な旋律を持ち、反復構造を特徴とする。アリアが自由な形式を取り得るのに対し、カヴァティーナはより歌曲的で親しみやすい。ベルディやロッシーニの作品に多く見られる。また、「アリエッタ」は小規模なアリアを指し、「アリア・ディ・ブラヴーラ」は技巧を誇示する華やかなアリアを意味する。