2011年、東日本大震災の直後に放映されたエステー「消臭力」CMシリーズは、傷ついた日本に強烈な希望の光を灯した。青空が広がる東京の屋上で、ポルトガルからやってきた少年が一心不乱に叫ぶあのCMソング。「ショ〜シュ〜リキ〜」というフレーズは、一瞬で全国民の耳と心を掴み取った。
当時の広告・CM制作業界にとっても、彼の起用は型破りな英断だった。言語や文化の壁をあっさりと突き破る真っ直ぐな美声。それは単なる商品のPRにとどまらず、社会全体を明るく元気づける不思議なパワーを秘めていた。街中で彼の真似をして歌う子供たちの姿は、当時の日常風景となった。