彼女のキャリアを語る上で外せないのが、心を揺さぶる文学作品との邂逅だ。集英社や小学館などの大手出版社が手掛けてきた数々の原作コミックや小説を、彼女は類まれな身体性で見事に立体化してきた。大ヒットを記録した『余命10年』で見せた儚くも力強い生命の輝き、そしてカルト的な支持を誇る『溺れるナイフ』で放った危ういほどの透明感は、今なお色褪せない。
重厚なヒューマンドラマにおいて、彼女はいかにして原作者の意図を汲み取り、自身の肉体を通して役柄へと昇華させたのか。今回の関連本では、原作本と映画本編のブリッジとなる制作ノートの断片が明かされている。原作ファンにとっても、活字から立ち上がるキャラクターがどのようにして銀幕のヒロインへと変貌を遂げたのかを再確認できる、極めて知的で刺激的な読み物となっている。